Panzer Graph! #15 Berlin 1945: Tiger II (Dragon)


PG! #15 2009
年1月号




* Gallery NEW!

* Assembling




Introduction

今回はベルリンエリアにおいて終戦直前まで活躍したSS第503重戦車大隊所属のキングタイガーにスポットを当てることになりました。あらゆる物資、そして人員が秒単位で消耗して行った大戦末期特有の最悪な条件下においても驚愕すべき戦い振りを最後の瞬間まで示し続けたエリート部隊の一つでした。同大隊がベルリン最終戦にて奮戦した様子をとらえた写真は多数残されていますが、特に重戦車大隊記録集2・SS編大変参考になりました。



第一中隊のTiger II :

作例は模型的見栄えも考慮して同戦線において存在した可能性の高い第1中隊所属の車両を製作しました。しかし実際に132号車がベルリン戦において戦闘に加わっていたかは明確ではありません。塗装のパターンはパンツァーレック6に掲載されている第3中隊所属の311号車をイメージしています。光と影の3色迷彩はアルデンヌ戦闘時のそれとは多少雰囲気が異なり比較的1色の面積が広い大胆なパターンが中心でありながら部分的に細いラインも要すると言う複雑なもののようです。砲塔番号は中が抜けた黒塗りで(赤と言う説も無きにしもあらず?)、第一中隊(第3中隊の一部?)を除き同大隊車両には砲塔番号や鉄十時等のマーキングが全く確認出来ない場合が一般的でした。しかし歴戦の乗員が多かった部隊らしく、キルマークに関しては途方も無い数が施された車両が多数見受けられました。また車体後部排気管の間に手書きで"G"の一文字を書き込んだ車両なども確認されています。作品には砲身にキルマークを描いても良かったかもしれません。超地元であるベルリンの市街戦ということで、戦闘部隊と整備中隊との距離は比較的短くより一層密接な連携を行っていたのではないかと想像し、装備は殆ど全てはずした状態にしました。これは物資不足と連続した戦闘という要素も加わっています。