Panzer Graph! #15( Jan.09 issue) Berlin 1945: Tiger II (Dragon 1/35)



Tiger Commander Fig:1 Fig:2 Diorama


キングタイガーのイメージと表現方法:

コーティング無しのキングタイガー
"個人的"にキングタイガーと言いますと"コーティング無し"と勝手に決め付けています。
その理由は直線が多用された威圧感のある独特のシルエットをより目立たせるには表面がシンプルの方が効果的ではないかと感じているからです。またそれは巨大な車両が有するアンバランスな数多くの細かい装備固定用金具やフック類がスムーズな装甲表面に存在した方が引き立つからでもあります。コーティングが無いことにより同車ならではの各部装甲の表面処理の違いや異なる溶接パターンを楽しむ事も出来るのもその理由の一つです。

模型を製作する上で実車のもつイメージを表現する事は大切だと思うのですが、その大きさや破壊力等から考えますと当時最強であった車両の一つですから、キングタイガーらしさを引き出すにはより威圧感のある物に仕上げることが大切なはずではないかと・・・。単純に物資不足と言う当時の条件的な要素も含みますが、フェンダー無装着状態を選択している理由はその方が同車のキャタピラ幅が際立ち全体からにじみ出るマッシブさがより強調されるつまり威圧感の表現と言う意味では効果的ではないかと感じているからです。埃まみれになったであろう市街戦にあるにもかかわらず、まるで雨上がり直後のように艶のある部分が多い仕上げ、そしてその毒々しい迷彩塗装の採用は凶暴さを具現化したような鉄の塊であるキングタイガーを自分なりに再現してみたかったためです。

ディテールアップや細かい工作よりも迷彩塗装の大切さが最も表に出るキットの一つであるために塗装には十分な時間をかけて望みたいところです。フィギア好きな自分は車両の塗りも同じように捉えがちなのですが、迷彩パターンに関してもフィギアの塗装と同じように極薄く溶いた塗料を何度も吹きながらそのパターンを固めていきます。各迷彩色もそれぞれ調合して自分のイメージに近づけるように工夫しています。また、全体のイメージにも大きくかかわるであろう装甲や鋳造された部品、そして各部溶接表現にもこ
だわってみました。


その他:

この車両はっきり言ってでかいわけです。当然塗装面も大きく間延びをしないか・・と正直考えなくも無いですが、そこは迷彩塗装を存分に楽しめるキャンバスとして見ていただきたいと思います。実車のイメージをうまく捉えたドラゴン・キングタイガーは同車にしか味わえないよさを存分に提供してくれる大変すばらしいキットであることを改めて感じています。