しんかい 6500 バンダイ 1/48

本体の制作

当然部品をランナーから切り出す必要はありますが、さまざまな成型色に彩られた部品は組んでいるだけでも楽しいものです。特に金属色及びクリア部品の質は高いと思います。組み立ては説明書どおり進めていけば特に問題はありません。強いて言うなら発光ユニットの組み込みが少しタイトであること、また各部品は完全に押し込み装着する前に多少角度や方向そして順序をよく確認してから組み立ててください。しかしこれも塗装やディテールアップを行わない場合はあまり気にする必要はありません。(筆者の場合テストショットを組んでいるために正規品ではこのような点は改良されている可能性があります。)最終的にはめ込む外装パネルや水平&平行尾翼、潜望塔及びメインスラスター等の大型部品はやわらかい素材ですので傷をつけないように注意してください。(塗装する際に影響してしまいます。)多くの配線、パイプ類を追加していますが、実物で確認できなかったためそのレイアウトはあくまで憶測です。船体内には浮力材と共にほぼ隙間なく各種機材が設置されているためにその密度感を出すように努力をしました。取り外した右舷はオープン状態としたので、パネルを外した際に違和感が無いような作りこみを行っています。バラスト、側面スラスターの形状はパテで修正、サイドパネルのボルト穴を開口しています。出来るだけ多くの配線類を3種類のコード類、金属ワイヤー、ビニールチューブなどで追加しました。

ガンプラ+スケールモデル

しんかいの存在自体その独特なフォルム、そして用途を考慮するとすでに興味深いわけですが、今回バンダイから発売されたキットは同社の持つ高い技術と発想によって実物のもつ魅力を最大限に引き出しながら模型としての面白さもたっぷり楽しませてくれる素晴らしいものだと思います。

主にスナップオン形式のガンプラには正直スケールモデルのディテールを盛り込むことは限界があると考えていました。しかしその先入観は見事に消え去りました!“塗装はおろか接着もせずこれほど精密な模型が容易に組みあがる”、なにか今までの模型のあり方を根本的に覆してしまうのでは?と思えてくるぐらい個人的にはインパクトがありました。

当然、ディテールアップは行いますが、そのレベルは良く出来たスケール物と同レベルですから全く気になりません。それよりこれだけ多くの部品が最終的にある程度の強度を保った形できちんと完成品になると言うことが驚きです。これは各部品の高い精度を要求されると同時に部品の分割方法にも大変な工夫が必要とされるはずです。

模型的ポテンシャルの進化

普通のキットと異なり完成後にまたばらせて“遊べるため”実物の構造の総合理解と各部の特徴や役割などを学ぶことさえ出来てしまいます。教材としての可能性まで秘めていると申しますか・・・。超ベテランモデラーの超絶ディテールアップに対応しつつ、数回の週末、自宅で臭い接着剤無しにお父さんが子供達と楽しみながら組み立てる団欒にも応えることが出来る数少ない素晴らしいキットであると思います。

左舷はほぼキットのままですが、固定用のフック類を自作しています。また整備中という設定ですのでバスケット等取り外してある部品が数種類あります。
スケールは1/48ですのでタミヤの同スケールMMからドイツ戦車整備兵セットの道具類を使用しています。工具箱やバケツ(ポリバケツっぽく塗装!)等を使用しました。テーブルや台車などはプラ材でスクラッチしています。