ＩＮＴＲＯＤＵＣＴＩＯＮ：
大戦全期間を通して活躍し大量生産された３号突撃砲には多くのバリエーションがあります。正式に開発されていったAからGまでの各形式の違いは勿論ですが、爆撃による工場の被害から部品供給、そして生産そのものに混乱が生じる中例外的な仕様等も数多く見受けられました。また、リサイクル部品等を大量に使用した現地改良や補修型も多数存在し厳密な型の識別には混乱が生じました。しかしこれがモデラー的見地に立ちますと実に嬉しい状況を生んでいるように思っています。ほぼ全ての戦場に姿を見せ、“何でもあり”的のその仕様、そしてその突撃砲と言う極めてユニークで、短命、しかし大活躍をしたこの車両への興味は尽きません。バリエーションの幅の広さを強調するために今回はあえて同じタイプ（G初期型）の２両を使用してみました。”様々な対比”を試みた両作品から少しでも３トツの面白さを感じていただければ幸いです。また今回は特に目立つ部分以外のディテールＵＰは控えめに留めて戦場でのダメージ表現や使用感、またスタンダードな装備品以外の物の充実に工作を集中しています。自分なりの３号突撃砲らしさを念頭に置き作業を進めましたが、好みに合わせて柔軟に設定できる同車は大変魅力的です。多くの選択余地がある中自分の１両を見つけてみてはいかがでしょうか？
対比:
＊国防軍とＳＳ
＊７５ｍｍ砲と１０５ｍｍ砲
＊（ほぼ）スタンダード仕様とカスタムメイド
＊被弾の有無
＊夏と冬
＊シルエットの違い。
１０５ｍｍ仕様の車両は低いシルエットを強調させるためにベースを高くして雪に埋もれさせました。荷物を大量に、しかし低めに積みそして幅広のキャタピラを履かせることによりロー＆ワイドにして更なる効果をねらってみました。一方７５ｍｍ砲は被弾した状態でキャタピラをエンジンデッキ上に、機銃用防盾はあえて立てて設置、そして更にフィギアを車両上に座らせるなどをして１０５ｍｍの低いシルエットと比べるとその印象に変化が出るように努力してみました。
＊フィギアにも同様の対比をさせている。
それぞれの服装や表情の違いそして夏と冬等季節感を出すように心がけています。
塗装：
*車両 タミヤ･アクリル＆エナメル
両車ともにフィルタリング以外でも明暗をつけるために車両本体用にダークイエローを２トーン使用しています。砲身等一部にはクリア系のカラーを足し半光沢に仕上げてあります。下塗りにはプライマー色を陰部に使用、そしてジャーマングレイ、レッドブラウン、バフでチッピングを施し、エナメルカラーでワッシングを行いました。車体下部の汚れにはグランドワーク用に準備した“地面のタレ“を多少水で薄めたものを使用、その後塗装によりメリハリをつけています。マーキングは全て手書きで行いました。時間がかかりますが、やはり手書きの方が塗料の退色や擦れなども再現できる為によりリアルに見えると感じています。
*フィギア タミヤ＆ファレフォ・アクリル
フィギアの下塗り基本及び衣類のグラデーション塗装はタミヤアクリル、細かい仕上げをヴァレフォで行っています。（ちなみに皆さん！誤解がよくあるようですが、ここで使用する溶剤は”水“です！！！！）上下衣類、そして同じフィールドグレイ系でもそれぞれの色調が微妙に異なるように多少茶色やグリーンを混ぜながら塗装しています。SS、国防軍の迷彩はそれぞれ複雑ですがパターン別に分けて丁寧な塗装を心がけていけばうやりやすいと思います。常にパターンを少なめ程度にまとめておき、全体のバランスを見ながら迷彩パターンを足していくような感じで作業を進めます。最後に全体のトーンが合わない場合は激薄に溶いたヴァレフォの基本色でワッシングをかけると落ち着いてきます。
地面：
両ビネット共に”地面のタレ“を作り使用しています。
細かい砂、MORINのクラッシャブルストーン（画像＊A）、壁材（ドフィックス等）、木工用ボンド（同じくMORINのスパーフィックス画像＊Bが使いやすい。）、水を混ぜたものに、タミヤアクリルで色を足します。雪のビネットにはジャーマングレイ＋フラットブラウン＋オリーブドラブ、そしてもう一方には（７５mm砲）カーキ＋フラットアースを使用しました。草類は地面が乾燥した後にスタティックグラス、そして猫じゃらしをほぐして使用しています。
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