Main:  Meng model 1/35 Merkava IIID

Merkaba IIID キットに関して

ファーストインプレッション:“ハードコアユーザーも納得の内容”
本キットはその高級感あふれる外箱のイメージをそのまま中身にも反映させた素晴らしいキットでした。安易にエッチングを使用せず可能な限りプラスチックで再現された各部品からはメーカーの並々ならぬ努力、そして高い技術力を感じることができます。繊細な部品表現は勿論、実車解説、カラー塗装図を含む分かりやすい組み立て説明書も魅力的です。また使用されているプラスチックはささくれ発生が少ない素材であると同時にリモネン系接着剤を多くの部品に用いることが可能で、有機溶剤が苦手な筆者にとっては大変ありがたい要素でした。

パーツ構成:
メインのプラパーツ以外に鉛シート(戦術サイン板用)、銅線、紐、クリアパーツ等が存在しますが、エッチングは一切含まれていません。これは最大の懸念であった砲塔後部バスケットから並々とぶら下がるチェーンスカートが手間のかかる金属部品ではなく、プラパーツの一発成型で見事に再現されているためによるところが大きいと思います。履帯はD社マジックトラック同様ランナー無しの分割接着式で、ブラウン・グレーのプラスチックが用いられており組み立て&塗装の両方が手軽に行えます。砲塔バスケット底面もパンチングメタルの穴が見事に再現されていますし、複雑な形状を持つ誘導輪側面の穴もやはり見事に再現されています。結果、基本的に一部のパーツをシャープに加工し多少ケーブル類を追加するだけでもボックスオンリーでも素晴らしい完成品を手にすることができます。

オプションパーツ:
転輪は全鋼鉄及びゴム仕様の2種類がセットされていますが、作例では実写同様両方をMIXして使用しました。またドライバーズハッチそしてアンテナベースもアンテナ装着の有無に対応した物などがそれぞれ2種類入っています。

まとめ:

本キットは新興メーカーとは思えない完成度を備えた素晴らしいキットであることは間違いありません。では死角は無しなのか?ご安心ください。モデラーとしての腕の見せ所は十分残されてされていますし、擦り合わせ等丁寧な基本工作が必要不可欠な部品もある程度存在します。作例では製作できなかった後部キャンバスカバーや薬莢受けケースなどの追加は大変目立つ部分ですし、GPSアンテナ等の追加工作も特徴を出すには面白いのではないかと思います。またメルカバ独特の滑り止めコーティングの再現もあります。更に何より人命保護を第一にデザインされた車両です。必然とフィギアとの絡みが絵になるはずです。

 *Making PartI