Finemold 1/500 愛知県庁  モデルアート9月号

名古屋城に関しては有名な鯱のお陰もあり比較的容易に想像できるのですが、愛知県庁に関しては見聞が無くその存在すら全くイメージできない建物でした。しかし画像で実物を確認すると重厚で大変特徴的な建物であることが即判明、模型的に見ても大いに魅力的であり一気に製作モチベーションが上がりました。愛知県庁は1938年3月22日名古屋城敷地内にあった旧騎兵第三連隊兵営跡地に竣工されました。城郭風の屋根を鉄筋コンクリート造の現代建築に乗せた帝冠様式を採用、国の有形文化財にしてされています。

キットについて:

さて本品ははめ込み式で誰でも手軽に組み立てることが出来ます。部品点数は少なく(ライターにはとっても本当にありがたい)色分けされた部品をパチパチ合わせていけばあっという間にほぼ両手に収まる超リアルな愛知県庁が完成します。その精密度たるや老眼の自分ではもはや確認の出来ない部品も存在する超絶レベルでした(正面玄関県庁表札等)。実際の県庁は中庭のある箱型ですが、キットでは前半分のみの再現となっています。しかし断面はぬかりなくきっちりパーツ化されフロア構成とスケール感が分かりやすくなっています。

全体のバランスや各パーツの合いもよく、純粋に模型としてみた場合でも素晴らしいものであると同時に和洋折衷なそのユニークなデザインは(名古屋城をイメージした天守閣がレトロモダンな洋風建築の上に乗っている・・・)当時台頭したナショナリズムを色濃く反映しているもので、歴史的にみても興味深いものであると思います。実在する建物の完成度の高いキットとして情景好きにはたまらなく遊べるアイテムかもしれませんね。

making painting