ドイツ軍車両の塗装:



ドイツ軍車両の塗装が面白いと自分が感じる理由の中の一つに ”ほぼ何でもありえた” と言う事実があると思います。

ご存知のように大戦末期のドイツ軍はあらゆる資材不足を経験したわけですが各車両に使用された塗料も決して例外ではありませんでした。 ”塗装無しよりマシ” と言わんばかりに現地で調達できる物はずいぶん色々活用されたようで様々なパターンや色調を生み出したようです。

アフリカで連合軍の使用していた塗料や対戦初期に大量に接収したであろうロシアを含む東ヨーロッパ各国の軍隊の塗料等頻繁に活用されたのではないでしょうか?ノルマンジー戦から現地の樹木の多さを考慮してグリーンベースのドイツ軍車両が多く登場したようですがこれらのグリーンはロシアングリーンも使われていたのではないかという話もあるぐらいです。

戦争最末期においては混乱も激しく究極の資材不足に直面したわけで例のプライマーの赤やほぼ緑オンリーの虎2もあったであろうと言う程です。当時軍は様々なカモフラージュパターンを既に使用しており、このような局地的事情も考え合わせますとその存在しえた塗装のバリエーションは無限に近い物があるであろうと言うのが最近定説です。

これを持ってほぼ何でもありえたという可能性を否定できない条件が生まれる様に感じますが、これはモデラーにとっては願っても無い事ではないかと思います。これは正にある程度の史実を頭に入れて材料(色)を選べばその細かい塗装の方法についてはほぼお好みに出来ると言うことでしょうか?たまりませんこれは!


さてさてこ々からは塗装そのものについての事をまとめました。

いくら規定の色があったとしても各工場で作られてくるそれぞれの物を比べると”同じ色”である”はず”ながら違いが生じてくる可能性がある。

たとえ工場で使用した調合の分量が同じでもその元になった塗料の保管期間がまちまちであった事や、溶剤の種類や量によって最終的に出来上がる塗料は微妙に違ってくる。勿論その後の保管方法も影響してくる?(同じレシピでも作り手が違うと料理の味が違うように〜かな?)

溶剤に関しては塗装する際でも同様で、出来上がった塗料を引き伸ばして使用しなければいけない理由があれば当然薄めて使いますから実際に塗装する際でもその仕上がりは変化してくる?
(毎回エアブラシ用に塗料を溶剤と混ぜて使用するときに感じます)

これらの条件は基本の塗料には勿論現地で使用されたカモフラージュ用の塗料に関してはさらに大きな影響を受けるのではないかと思います。

現地部隊の塗料に関しては上記の条件にプラスその塗料の塗装に何が用いられたか、ブラシ?エアブラシ?手、ぼろ布?によっても大きく変化したことでしょう。部分的に違う物を使用した可能性も否定できないと思いますあります。また一人で塗るのと複数の乗員で作業をするのとではやはりまた違ってくると思います。(なんたって重戦車などは超でかいでわけですから一人で短時間に仕上げたとは思えません。)

新品は別としても元々の車両の塗装はそれぞれ違うでしょうし、また同じ指定された色ではげた部分などをタッチアップ塗装したとしてもその時期によって、そしてまた場所によっても変化は出るでしょう。そもそも送られてきた塗料は時期が異なると色合いも恐らく異なったと思われますからなお更です。

またりペイントに関しては模型もそうですが下地の状態によって大変仕上がりが変わってきます。ましてその塗料が薄められていればなお更です。

塗装された車両が何回塗りで仕上げられたかも勿論対象になるでしょう。

こうして話していけばきりが無いと思いますがこれでますますほぼ何でもありと言う結果が認めやすくなると思います。(ちょっと無理やりのような感もありますがー)

さてこれらは専門知識が無くても塗料の事を考えればなんとなく浮かんでくるであろう事柄だと思います。しかし専門知識のある方であれば相当数のテクニカルな事情を提案できるのではと思っています。たとえば半光沢の空軍の塗料を使用した可能性とか......。 空軍の塗料は民間車に使用された塗料が使われていたと聞きましたが本当にそうなのですか?!

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2月: 大戦最末期には基本塗装兼プライマーとしてグリーンの塗料が使用されたそうです。
例のぐりーんのT2もこれで納得できました....知りませんでしたー。

4月: D氏曰く”空軍の塗料は民間車に使用された塗料が使われていたという可能性は十分にあったはず。”ということでした。これでまた可能性が広がりましたね!

*このリストは終わりではなく今後も増えていくと思いますが,先ず自分がとりあえず気になっている部分からまとめてみました。もしご意見ありましたら是非メールください!